一般社団法人 神奈川県サッカー協会 会長 関 佳史

 平素より一般社団法人神奈川県サッカー協会の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。

 この度、2023年6月25日の定時総会並びに理事会の承認を経て、一般社団法人神奈川県サッカー協会の第4代会長に就任いたしました。

 私はテレビ神奈川で36年間勤務、その後関連会社の経営を担当しました。テレビ神奈川時代に全国高校サッカー選手権の共催社として長年一緒に仕事をしたご縁で、本協会の理事に就任。副会長4年を務めました。『スポーツ団体ガバナンスコード』によれば、最初の役員就任時において当該団体と緊密な関係がある者、当該競技における高い実績の指導者、選手経験者以外を外部理事と言いますが、外部理事が会長に就任するのは一般社団法人設立後では初めてです。

 昨今、スポーツの普及・振興等の重要な担い手であるスポーツ団体は適切な運営が求められています。スポーツ庁は、『スポーツ団体ガバナンスコード』を策定し、中央団体向けでは外部理事、女性理事の比率目標を具体的に定めています。こうした流れの中で、公共性の高い放送局での会社経営の経験を生かし、外部のノウハウを導入し、適切な組織運営を目指します。

 『Football for All サッカーを、もっとみんなのものへ。』のコンセプトは最も大切なものと考えています。本協会では 2023年度202の事業実施を予定しています。7万5千名余りの登録選手・審判員をはじめとするサッカーファミリーがサッカーを楽しめるように各組織とともにスムースな運営を心がけます。

 近年、世界の潮流は、女子・フットサル・ビーチ・障がい者・キッズ・シニアと、多種多様な領域での広がりを見せています。私自身は、サッカーを12歳から始め、57年間グラウンドに立ち続け、現在も草サッカーを継続しています。サッカーファミリーの皆様の目線を尊重し、生涯にわたって、だれもが、いつでも、どこでも、サッカーの楽しさに触れることのできる環境づくりを推進します。

 一方、本協会の重要なミッションの一つに選手育成があります。2022年ワールドカップカタール大会の日本代表には県内育成選手7人が入り、ベスト16に進出しました。この中には、Jクラブの下部組織出身者もいれば、街クラブ・中体連・高体連出身者もいました。このことが象徴するように、神奈川県の選手育成はクラブと学校が役割分担し、協働することで多様なルートを確保、好循環ができ個性的な選手の育成を達成しています。

 協会が自前のフットボールセンター『かもめパーク』を横浜市内に持ち、育成に最優先で使用できる環境を整えたことも大きな後押しになっています。また、本協会ではFAコーチ制度を 2020 年度からいち早く導入しました。FAコーチとは技術担当の専任者を各都道府県に配置する制度で、JFAと各都道府県協会が協力して推進しています。コロナ禍の逆風状態にも関わらず、実施可能な活動を積極的に展開、2022年度末、JFAからは高い評価をいただきました。こうした体制は一朝一夕にできたものではありません。神奈川県の育成力は、ハード・ソフトの両面を長い年月をかけて整えてきた先達の積み重ねによるものです。

 本協会は昭和4年(1929 年)創立。6年後には百周年を迎えます。発足当初は16団体でしたが、現在登録チーム数はフットサルを含め1,824団体(2022年度末)です。先輩諸氏の蓄積を踏まえて、タスキをつなぐことが私の使命と考えています。これからも日本と神奈川県のサッカーの発展に尽力をしてまいります。ますますのご支援を心からお願いし、ごあいさつとさせていただきます。

  一般社団法人 神奈川県サッカー協会
会長 関 佳史